今年もすったての季節がやってきた
GWも過ぎ日差しも強く暑くなるとこの季節が始まります。
埼玉県川島町の郷土料理の「すったて」
以前にも
「陸の孤島の風物詩すったて」●
「真夏の川島町は塩味濃いめ」●
で取り上げましたが、今年も取り上げます。
毎年5月から9月までの夏限定で食され、川島町の農家に代々受け継がれてきたまさに郷土料理。
入れる野菜はその時採れたものできゅうりや大葉や茗荷などが多いが、それ以外にも生で食べられ味噌とすり胡麻に合う野菜なら何でも良さそう。ちなみに私は茄子やオクラなども入れたりします。
川島町のお店の大半はうどんの冷や汁で提供されていますが、以前お話を聞かせてくれたあるお店のご主人は「ホントはうどんじゃなくてご飯だったんだけどね」と。「冷汁に冷えたご飯を入れかっ込んだんだ」とのこと。それがいつしかうどんのつけ汁で提供されるようになったんだよ、と聞かせてくださいました。
確かに日本各地には似たような郷土料理がいくつかありますが、そのどれもがその土地々々の食材を使い、昔からその土地で受け継がれてきた、似ているようで似ていないその土地の味です。
埼玉県川島町という陸の孤島といった場所で、決して行きやすいとは言えませんが、それでもぜひ足を伸ばしてみてください。
もちろん私は今年も食べに行きます。
最後に余談をひとつ。
同じように「すったて汁」と呼ばれる郷土料理が他にもあります。
岐阜県の白川村などの地域で伝承されており、茹でた大豆をすりつぶし味噌や醤油などを加えた汁物とのこと。川島町のすったてとは違い、晩秋から春にかけ、地域の寄り合いや祝い事、また報恩講※の際に親しまれてきた郷土料理。
同じ呼び名でも季節や調理方法がまるで違う、日本の郷土料理も深いですね。
こちらもいずれぜひ食べに訪れたいと思います。
※報恩講とは浄土真宗の宗祖(開祖)とされる親鸞の命日に行われる仏事のこと。