創業70年余り、老舗の酒場で酔いしれる
老舗の酒場(東京)と言えば、日本最古と言われる鶯谷の「鍵屋」や、建物としては東京最古の神田の「みますや」浅草の「赤垣」など「歴史ある街には名酒場あり」と言われるように、素晴らしき日本独自の酒文化を支えた名店はいくつもあり、地方を含めると実に数多い。
そんな中今回はちょっとマイナーな場所(主観)にある居酒屋をご紹介。
マイナーと感じる最大の理由はその場所。最寄り駅は東京メトロ千代田線「千駄木駅」
乗換駅でもないし大きな名所もない。しかし千駄木といえば谷根千(谷中・根津・千駄木)と呼ばれ今も下町風情がただよい、神社仏閣や旧跡などを中心に江戸情緒を色濃く残す町並みは、日本人だけではなく近年外国人観光客にも人気のエリアといえる。
そんなちょっとマイナーな界隈で、1952年創業70年余り地元界隈の飲兵衛たちに愛され続けている酒場「にしきや」をご紹介。
(ちなみに1952年と言えば、先日国葬が行われたイギリス女王、エリザベス2世が君主に即位した年。国内では羽田飛行場の施設の一部がアメリカ軍から返還され、東京国際空港としての業務を開始。そんな年でした。)
千駄木駅2番出口から不忍通りを右へ数十秒とほぼ迷うことはない立地。
入り口の戸は透明なガラス、隣には小窓もあるので中の様子がうかがえるので、初めてでも入りやすいと思う。
訪れたのは平日だったがほぼ満席の状態、かなりの人気店の様子。
店内は賑わっているものの、下町の大衆酒場とはちょっと空気感が違い、どことなく小料理屋よりの雰囲気も感じられる。
壁にはお品書きの短冊が並び、季節物や魚を中心に焼き物からお刺身、また、やきとりやもつ焼きなどの肉物まで実に豊富なメニュー。しかも価格も決して高くないのがありがたい。
ふと店内を見渡すと場所柄なのか、私のような一見はあまり多くなく、地元の常連客が多いように感じる。
先に「下町風情がただよい」と言ったが、この辺りはその昔お屋敷町があったり地形的にみても山の手でもあるため、山の手と下町が混同する界隈とも言える。
そんな文化が入り交じった土地の酒場で酔いしれるのもまた楽しい。
ちなみに訪れた日は平日18時頃だったがほぼ満席の状態で、入店するも「ご予約は?」と聞かれるほどなので、確実に入りたいのであればぜひご予約するのをおすすめする。
と、そうそう忘れていましたが、こちらのお店2時間制になっているのでそこは注意です。